患者図書室

 病院図書室とは「病院において、医師・看護師・コメディカルを初めとする医療従事者に、医学・医療情報の提供を行うことを基本とする図書室」とJHLA発行の『病院図書室デスクマニュアル』では定義をしています。

 医療界をとりまく様々な変化の中で、患者や患者家族・一般市民へと病院図書室でも利用対象者が広がりをみせています。医療従事者へのサービスとは異なり、医療知識をもたない利用者に医学・医療情報を提供することの難しさを感じる昨今です。そんな担当者をサポートするためにJHLAでは患者医療図書サービス支援事業を展開しています。新任担当者研修会でも、患者図書サービスを開始したいという声が沢山聞かれました。
 これからの病院図書室には、医療従事者へのサービスとともに患者・患者家族へのサービスが求められます。より良いサービスを目指して何が必要かを学んでいきたいものです。新しくオープンする患者図書室情報をお寄せください。情報を共有しよりよいサービスの展開をしていきたいと思います。
 今年患者図書室オープンを予定している新任担当者からです。



 研修会の2日間は夢のように過ぎて行きましたが、出逢った方々や学んだ内容は脳裏に焼きついていて、時々思い返しています。本当に密度の濃い研修だったなと感じています。
 「病院図書室勤務4年目の新任(?)」として参加してしまいましたが、基本業務がわからないまま入職していた私にとって、今回の研修は改めて自分の仕事を見直すきっかけとなりました。全ての議題が印象に残っていますが、特に「病院図書室評価項目表」では当室には何が足りないのか具体的に知ることができ、今後に役立てよう!と意気込みを新たにしています。
 他にもデータベースの検索実習では、普段1人で悩みながら検索していることを、同じ司書同士相談しながら検索するという光景に感動しました。また研修会2日目のグループセッションではテーマごとに討議を行いましたが、活発な議論ができることがとても嬉しかったです。同業だから分かり合えること、そしてみなさんの仕事への情熱が並ならないからこそ、と感じました。
 病院図書室に1人で勤務する人が不安に感じることは、業務に対して「どうすれば良いのか、だれに相談すれば良いのか」ということではないかと思います。病院では縦つながりの1人部署であっても、こうした横のつながりのなかで「1人じゃないんだ」と心強くなれると感じます。研修会から帰ると、「頑張ろう」という気持ちでいっぱいになりました。この研修会を企画・運営してくださったスタッフの方々には感謝と尊敬の念でいっぱいです。与えられた仕事ではない特殊な職場だからこそできる、自分の図書室をつくっていこうと思います。

 2010年にはいよいよ当院にも患者図書室がオープンします。「患者図書室サービス入門」で学んだことを皮切りに推し進めていければと考えています。不安なことが出てきましたらご相談させてください。どうぞよろしくお願いします。(N.H.)