図書室管理プログラムのご質問から

図書室新任担当者研修会に出席された方々からいただいたご質問のひとつに、新しく図書室を立ち上げていく準備中で、図書管理についてデータの構築、プログラムの立ち上げなど、どのように進めていけばよいかというご質問がありました。
まず雑誌・単行本(オンラインジャーナル、e-Bookを含む)などの書誌を含む全所蔵データを作成する必要があります。最初からどのようなプログラムを使用するか決定していない場合でも、エクセルでデータで作成しておくとコンバータ可能なものが多いようです。
将来的にどのようなプログラムにしていきたいか、ビジョンを持っておくこと、完成へ向けてどのように構築していくか等を考慮していきます。
たとえば以下のようなことについてです。

1.パソコン、サーバー、プリンタ等の機器はどこまでそろえるか、図書館LANを構築するのか
2.データ管理機能、検索機能を付加するか
3.バーコードを雑誌、単行本に添付して2と一体化させるか
4.外部データベースに接続するか
5.文献検索結果から所蔵検索へリンクさせるのか
6.ホームページを立ち上げそこからアクセスをするのか。
7.フリーまたは購入オンラインジャーナル集、e-Book集を作成しリンクするか
8.新着雑誌(オンラインジャーナルを含む)、新着図書資料もプログラム管理とするか
9.病院全職員が利用できるようにするのか
10.利用者情報を入れるのか(貸出・返却に対応する)         
11.NACSISI−CATに目録作成参加館として参加するか   
12.セキュリティはどうするのか
ETC. 
                 電子カーデックス

                                        
データの蓄積は時間がかかります。同時進行的にホームページを立ち上げ、文献検索データベースにリンクしておく、オンラインジャーナル集、e-Book集を作成しリンクするなどプログラム構想を見据えて、ひとつづつアップしていきます。

最後に所蔵データを反映させて文献検索結果から所蔵文献、オンラインジャーナルフルテキスト、外部への文献申込などへのリンクを構築していくなど、ジグソーパズルのように嵌め込んでいき段階的に仕上げていくこともできます。

国立情報学研究所のNACSISI−CATに目録作成参加館として協力しますと、CAT上の登録データを切り出して自館の所蔵書誌データを作成することができます。参加は無料ですがNACSISI−CATに対応したクライアントソフトが必要になってきます。 
最初からパッケージでの管理プログラムを購入することも、もちろんいいと思いますが、できれば図書室の変容、医療情報の進展に合わせられるようプログラムに柔軟性、伸張性を備えているとさらにいいと思います。

このご質問の主旨を受けて、JHLAで図書室管理プログラムについて、コンソーシアムを立ち上げていけるかということを模索しています。

どのような図書室にも適用できるような、大きなプロジェクトサイズからダウンサイズにしたものまで、病院図書室の特性を踏まえたものを検討したいと思っています。病院によって各種の特殊性、専門性があり、どの程度まで拡大、あるいは縮小すればよいかはデータ数、所蔵冊数、ホームページへのリンク、サーバーの有無、将来性などにより異なります。現在、プログラムの改編について打ち合わせ中です。

5月の研修会までをめどに形になるよう進めていきたいと思いますが、役員会での検討、決定後、改めて皆様にはJHLAホームページなどでお知らせいたします。
皆様のご質問から動き出す活動もありますので、どうぞ、ご要望などを含め、ご意見をお寄せください。

(Y.H.)