患者図書サービスと病院

研修会から3か月近くが経とうとしています。その後、あなたの病院では患者図書サービスはどのような状況ですか? 既に実践している方、これから準備という方、その気配もない方にも、今日は少し自分が所属している病院について調べてみようという提案です。これは患者図書サービスだけでなく、病院図書室を運営していく上でも知っていて得する事ですが、まずは患者図書サービスの面から考えてみましょう。

どんな患者図書サービスをしたいのか、院内にどう位置付けるのか、医療スタッフとの関係は等、色々な夢を描いてそれを実行するための方向性を知るには、己(病院)を知ることです。まずはサービスの方向性を探るために、病院が発行している月報や年報、病院概要を詳しく見てみましょう。

● 病院の沿革と現状
指定の種類 (地域医療支援病院がん診療連携拠点病院、特定機能病院等)
病院の使命と運営方針、施設の概要、主要医療器械、診療内容(診療科、病床数等)等
→患者図書室も病院の使命や運営方針に沿った活動が求められます。また、新しい治療器械の導入などは把握しておきましょう。質問されることがあります。
組織体系や職員配置の状況
 医師やコ・メディカルの数、個々の専門分野、コ・メディカルの専門・認定資格者等
→組織図内で、患者図書室の位置付けはどこになっていますか。
医師の専門分野や看護師が所持する専門・認定資格を知ることで、病院に集まる患者の疾患傾向や知りたい情報なども推測できます。

経理の状況
患者の状況 
業務統計
病床稼働率、平均在院日数、入院患者実数・延数、外来患者数、外来新患数、等
  →来院する患者の特徴、疾患の割合等を知り、収集する資料・情報を探ります。
院内外で行われる研修会・講習会の開催状況、患者会の把握
 →患者・市民向けのものは利用者へ紹介します。院内スタッフ向けに開催される研究発表会には参加して、医療スタッフの日頃の診療の状況や研鑚を知ることができます。

収集する資料はスタンダードなものを揃えたら、医師・スタッフの専門性、来院する患者の特徴、患者図書室が設置される場所等から必要とされる資料を収集し、独自のコレクションや設備を整え特色ある活動に挑戦してみませんか。それが患者・家族の求めるものと一致するものになりますように!!  (Y.A@アネゴ)