研修会参加者から1:資料の廃棄と保管

病院図書室に勤務して2年が経過しました。
図書室での勤務は初めてではなかったのですが、1人職場の図書室は全く初めてのことでしたので、少し戸惑いを感じました。
病院図書室新任担当者研修会がある事を知り、この研修会に是非参加したいと思いました。自分が業務している仕事が正しいかどうかを確認する為と他の病院で勤務している方の情報交換をしたかったからです。

製本雑誌を置くスペースがなくなってきているので、製本雑誌の保管年数を聞く事が出来ました。短い期間で5年、長い期間で15年でした。20年は保管しようと考えている所です。リストを自分なりに作成してみました。作成したところ、約2000冊越えておりました。少しずつ整理をしていきたいと思っております。

病院図書館の見学は初めての事でしたので、すごく興味を持ちました。見学する時間があまりなかったので残念に思っています。是非参考にしていきたいです。この研修会は一つ一つが、とても内容の深い研修会で、勉強になりました。(M.K)

PJメンバーより
資料の保管については、図書室の収容能力という点からも担当者の悩みが多いようです。よく図書室の担当者は何でも取っておきたいタイプともいわれます。資料の廃棄、特に製本雑誌の保管年数と廃棄基準についてPJメンバーの施設状況をお知らせします。参考にしてください。
1.保管年数 2.廃棄基準
A病院 1.20年 ただし、タイトルによっては近隣図書室の所蔵状況を加味している。                 
    2.基準あり
B病院 1.10年 ただし、開院間もないため、廃棄は実施しておらず。
     2.規程あり
C病院 1. 20年 ただしタイトルによっては図書委員会にて検討
   2.規程あり
D病院 1.永久保存(明治時代のものもあります)
    2.精神、看護領域以外の雑誌は製本せず5年で廃棄
E病院 1.コアジャーナルかどうか(重要度)によって保存年を決定します。Lancet、 JAMA、New
      Eng.J. Med.、Arch. Int. Med、 Ann.Int. Med などは、ほぼ永久保存です。その他  
      は重要度により異なります。
    2.ありますが全て図書委員会で最終決定をします。
F病院 1.20年 但し、がんセンターなので癌関連は永久保存(1962年から)
    2.規程あり
G病院  1. 製本雑誌保管年数 20年 但し、各科保管(薬剤科・検査科・放射線科など)の雑誌は製本せずに5年としています。
    2. 規程あり 

 廃棄の手順については、講義「資料と整理」でもお話がありました。まず廃棄基準をきちんと作成されることが大切です。廃棄基準には、保管年数の基準、手順と方法、最終決定機関を明記します。運用はPJメンバーの記載にもあるようにどの雑誌も一律ではありません。図書室の目的、組織上の位置、情報入手の利便性など様々な要素を加味して廃棄図書を選択し、図書委員会において最終決定します。