宝さがし

 子供のころ「なぞなぞ遊び」や「宝さがし」をしたことはありませんか。文献探しもどこか同じような気がします。最近は、複写を依頼される文献もデータベースで検索された活字で書かれたものがほとんどになりましたが、図書室に勤務したころは、手書きの「判じ物」かと思うようなメモと「なぞなぞ」のような文献の依頼がしばしばありました。判じ物のメモみて、誰が書いたのか、何が書かれているかを正確に読みとることが病院図書室担当者の第一歩でした。

 時代は変わって判じ物のメモは姿を消しましたが、インターネット上に全文が公開されているものも多くなり、文献を見て全文を入手できるかどうかすばやく判断できることが求められるようになりました。依頼者にとっては無料で手に入る宝ですから宝探しです。
先日、参考文献からの孫引きでしたが、次に記載の資料入手を依頼されました。

 この文献は、雑誌? 単行本? なぞなぞ遊びと宝探しの気分で、仕事の合間に頭の体操をしてみてください。 全文を入手することができます。
 宝を見つけた方は、コメントに書き込んでください。
 最初は正攻法で攻めてください。(M.N.)

Rubin GD,Bluemke DA,Duerinckx AJ et al:ACR Committee on Cardiac Imaging.Practice guideline for the performance and interpretation of cardiac computed tomography(CT).(Res.10,16g,17,34,35,36-2006).In:Practice guidelines and technical standards. Reston,VA:American College of Radiology,2008.p.421-430.

年間計画の総点検

雪が降ったかと思うと4月並みに暖かかくなったりで目まぐるしい3月の気候ですが、の便りが待ち遠しいこの頃です。


さて年度末になり、みなさんも大忙しのことと存じます。1年間の総仕上げの時期として、やらなければならない事がたくさんありますね。


私も同様で以下のように仕事が詰まっています。


1. 1月発注し、納品された製本の登録整理
2. 年度末予算で購入した単行書の登録整理
3. 外国雑誌・オンラインジャーナルの到着や登録再確認 
   (特に取次店を変更した場合は、到着状況やアクセスの確認をこまめにしたい)
4. 院内発行雑誌の校正取りまとめ
5. 院内研究会の抄録の取りまとめと編集委員への査読取りまとめ
   (院内発行誌に掲載のため)
6. 決算報告
7. 利用統計報告
8. 図書室の広報作成
9. 4月に向けて新・転入者へのオリエンテーションや文献検索指導の準備
10. 毎日の文献相互貸借
11. 地域ネットワークで立ち上げたプロジェクトの仕事 


実は予定どおりの仕事と、ずれて持ち越しとなった仕事が混在しています。

なぜこの時期に集中してしまったのか?

年度始めに作成した年間計画表を見て確認します。

表には年度始めの4月から次の年の3月まで、管理・運営業務、サービス業務、関連業務ごとに分けてスケジュールが書いてあります。


・ 計画どおりに仕事を進めることができたか?
・ なぜ計画どおりに実行できなかったのか?
・ 仕事の段取りや予算執行時期はどうだったか?
・ 計画表になかった新しい仕事が入ったのはいつだったか?
・ 年度末に集中させないように、時期をずらした方がよい作業は何だったか?
・ 新たに展開したい仕事は何か?計画的に進めるにはどのような段取りが必要か?
 
等など


再検討が必要です。そう、3月は計画表を総点検する時期でもありますね
次年度の仕事がよりスムーズにはかどるように、4月からの新しい年度に向けて経験を活かしていきましょう。

* 年間計画表の例は、デスクマニュアル第2章 基本業務 に掲載されています、ご参考まで。

(Y.A@アネゴ)

用語の解説3: インパクトファクター

インパクトファクターという用語はよく耳にするのではないかと思います。
ドクターが論文を執筆するに当たって、「インパクトファクターの高い雑誌に投稿したい」とか、図書室でも購読雑誌を選定する際、「よりインパクトファクターの高い雑誌に購入変更する」などと、という会話が交わされているのではないでしょうか。
ただ皆さん、なんとなくはわかっている言葉だと思いますが、いざ説明してと言われると、困ってしまったという経験はありませんか?
今日はそのインパクトファクターについての解説です。

インパクトファクター(impact factor, IF) とは、1955年に情報科学者であるユージン・ガーフィールドが考案した特定のある雑誌が1論文あたり、平均何回引用されているかを算出した数値で、その雑誌の影響度を示した数値です。
トムソンサイエンティフィック社が提供しているWeb of Scienceに収録されるデータを元に算出され、その数値はJournal Citation Reports (JCR) のデータのひとつとして収録されています。
インパクトファクターは Web of Science の収録雑誌の3年分のデータを用いて計算さされています。たとえばある雑誌の2004年のインパクトファクターは2002年と2003年の論文数、2004年のその雑誌の被引用回数から次のように求めます。
A = 対象の雑誌が2002年に掲載した論文数
B = 対象の雑誌が2003年に掲載した論文数
C = 対象の雑誌が2002年・2003年に掲載した論文が、2004年に引用された延べ回数
C/(A+B) = 2004年のインパクトファクター
上に示した計算式にあてはめて具体的な数値をいれてみますと、A,B2年間の論文数合計を1,000とします。それらの論文記事がCに該当する部分、つまり2004年の論文に引用された延べ数ですが、これが500回であった。この数値を最後の計算式にいれて計算すると0.5になります。これが、この雑誌の2004年版のインパクトファクターになります。
インパクトファクターの数値が高い雑誌ほど引用数が多いということとなりますので、雑誌の注目度、影響度を知ることができます。

ただ、インパクトファクターはあくまでも、自然科学、社会科学の学術雑誌を対象とし、Web of Scienceに収録されている雑誌のデータによる評価指標で、収録されていない雑誌についてはカウントされていないこと、個々の論文や著者に対しての評価ではないことなど注意が必要です。

挑戦してみませんか (Part2) 〜解答編

こんにちは、Y.A@PJサブです。
今日は3/5UPした「挑戦してみませんか(Part2)」の解答編です。

1)厚生労働科学研究成果データベースで検索。

医中誌WEBでは、厚生労働省の研究報告を収録対象外としていることから文献データベースが医中誌WEBのみ契約という機関では、あまり持ち込まれない書誌事項かもしれません。
私も初めて依頼を受けたときは、相互貸借でお願いしていましたが、JHLAの研修会でこのデータベースの存在を知り、以後利用するようになりました。



2)JAIRO(学術機関リポジトリポータル)で検索。

こちらは、ややひっかけ?問題でした。
素直にPubMedで検索し、表示された出版社のアイコンをクリックしても全文は見られません。
ところが著者が日本人であることから、JAIROで検索してみると…
フルテキストが入手できました!
最近は、大学の機関リポジトリが充実しているおかげで、freeで入手できる文献が増えました。
1/25の例題にもあったように、ほとんどの大学紀要は可能ですね。



文献依頼を受けたとき、PubMedの検索結果に”[Article in ◯◯]”(◯◯は言語)の表示がないか確認することもお忘れなく!
もちろん”[Article in Japanese]”とあったときは、医中誌またはJDreamなどの日本語の文献データベースで再度検索し、日本語で複写依頼をしましょう。


(Y.A@PJサブ)

【重要!】お詫びとご連絡

こんにちは。
Y.A@PJサブです。

3/5(金)にUPしたブログ記事「挑戦してみませんか (Part2)」で出題した問題3)について、フルテキストの掲載サイトに接続しようとすると、ウィルスに感染している可能性のあるサイトとして表示されます。
3/8にGoogleの巡回テストで検出されたようです。
http://safebrowsing.clients.google.com/safebrowsing/diagnostic?hl=ja&site=medigraphic.com/

コメントでのご指摘ありがとうございました。
ブログから例題を削除いたしました。

調査確認が遅れまして、利用者の方々へ多大なご迷惑をおかけしましたことお詫び申し上げます。

図書室の予算・決算

図書室の予算管理を行っていますか?

病院によって、予算名称や予算申請、決算などの時期は異なるかもしれませんが、一般的に、図書室の予算には図書や雑誌の資料費、データベースの契約料、製本代金、消耗品代などがあります。

予算年度は、カレンダーと異なり4月スタートで翌年3月末決算というのが一般的なスタイルです。ちょうど3月は決算時期、何か忙しい時期です。

予算案の作成は秋から始まります。申請、執行、決算を行っている方は、その流れを良くご存知と思いますので今更かもしれませんが、予算の流れを簡単に復習してみました。

1)予算の作成
図書や雑誌の資料購入費、データベースの契約料、製本代、消耗品など、図書室で必要な経費を科目別に配分をし一年間の予算を作成します。

2)予算の申請

作成した予算案を図書委員会で検討、決定。病院の予算時期に合わせ、予算申請を行います。

3)予算の決定・執行

申請した予算が、そのまま承認されれば良いのですが、査定の結果減額になることもあります。予算額が決定・内示されたところで、執行に向けての準備をします。JHLAの予算のように、前期・後期に分けたり、科別に振り分けたりの作業があります。執行状況と残額を把握するために会計簿・予算処理簿(名称はまちまち)を作成しておくことと便利です。今はパソコンのEXCELで簡単に作ることができます。

4)決算報告
そしていよいよ、3月決算時期です。1年の執行状況をまとめます。会計処理のソフトを導入している病院もありますので、処理方法は各病院異なると思いますが、図書室では決算総額、科目別に予算額・決算額・増減・備考とまとめて作成しておくと便利です。


図書室担当者が、予算管理を行うことで、図書室業務の運営を見直すこともできます。さらに報告書を提出することで、いかに図書室の予算が有効に使われているかのPRにもなります。(M・Y)

挑戦してみませんか (Part2)

こんにちは。
久しぶりに登場のPJサブです。
今日は前回好評だった「挑戦してみませんか」の第2弾。
文献検索の演習問題です。


本日は下記3題。
さてさてフルテキストまで辿りつけますか?
見つけることができた方は、コメントに「ありました」と書き込んでください。
できれば、その方法を書いていただけるともっとうれしいです。



1)吉岡健太郎:肝硬変を含めたウイルス性肝疾患の治療の標準化に関する研究 C型慢性肝炎に対するIFN治療後の肝硬度の変化に関する研究.肝硬変を含めたウイルス性肝疾患の治療の標準化に関する研究 平成20年度 総括・分担研究報告書 2009;Page.63-64.

2)Tanaka R, Sanada S, et al.:Pulmonary blood flow evaluation using a dynamic flat-panel detector: feasibility study with pulmonary diseases. Int J Comput Assist Radiol Surg. 2009;4(5):449-55.
(PMID: 20033527)


解答編は3/10に掲載します。


(Y.A@PJサブ)